(※本記事は旧ブログに2022年5月に掲載したものを再掲しています。)
ナマステ、インド在住のKome(@chankomeppy)です。
前回の投稿は3月末、2か月近くもブログを更新していないへっぽこブロガーでございます。最低でも月に一度は更新しようと思っていたのだが、趣味のアクリルペイントに時間を割いてしまいブログを書く時間がなく。
ずっと家にこもって趣味(アクリルペイント)に没頭していた最大の理由は、外があまりにも暑すぎてお出かけなんてする気になれなかったからである。
というわけで、北インドの夏が暑すぎて辛いという話。
▼目次はこちら (クリックして表示)
- はじめに:インドの気候は一言で表すことができない
- 【3月】厳しい冬が終わるとすぐさま猛暑襲来
- 【4月】40度超え、ドライヤーのような乾燥した空気が吹く
- 【5月】最高気温50度、最低気温30度の世界
- 北インドは人間が住めない地域になるのかもしれない
- まとめ
はじめに:インドの気候は一言で表すことができない
インドは東西南北に広く地形も多様なので、地域によって気候が異なる。ゆえに「インドの気候はァ~」と一括りにして語ることは不可能だ。
ケッペンの気候区分によれば、インドの気候は大きく6つに分けられる。
レー・ラダックやスピティ渓谷などヒマラヤ山脈のふもとの地域は低温砂漠気候・高山気候に属する。
パキスタン国境地帯付近は砂漠気候で、タール砂漠が広がっている。
パキスタン国境地帯から少し離れたラジャスターンの東側やデリーNCRはステップ気候で、肌がカサカサになるくらいには乾燥している。砂嵐も吹く。夏はドライヤーをあびているかのような熱波、そして冬は寒い。
ガンジス川流域は温帯~亜熱帯に属する。雨季は降水量が多く農業がさかん。デリー周辺同様、夏はかなり暑くなるが冬の気温は一桁台になることもある。ただ、デリー周辺ほどは乾燥していない気がする。
ムンバイやゴア、ケーララといった西側のアラビア海沿いは熱帯モンスーン気候で、夏の季節風が吹く6月~9月の雨季にはバケツをひっくり返したような雨が降る。高温多湿なのでカサカサとは無縁。
インドの真ん中内陸部デカン高原~東部沿岸部にかけては熱帯サバナ気候となる。バンガロールなどの標高が高いところには当てはまらないと思うが、バンコクのような気候なのかなぁと。一年を通じてトロピカルみ溢れ、アラビア海沿いよりも雨季の降水量が少ない印象。
これを前提にして、今回はデリーNCRのお話。以下の内容はヒマラヤの方、西インド、東インド、南インドには当てはまらない。
【3月】厳しい冬が終わるとすぐさま猛暑襲来
冬に「北インド、寒くて辛い」という話を投稿した。
▼参考: indoyuruyuru.com
しかし、3月になるとポカポカ陽気でとても過ごしやすくなった。
これを周りの皆さんは「デリーの短い春」と表現されており、本当に一瞬で終わった。2週間くらい!? そんなレベルで短かった。。。
3月末には最高気温が40度手前になり熱波が始まった。つい1か月前まで寒くて凍えていたのがウソのようである。ニュースではインド北西部(デリーやラジャスターン等)の3月の平均最高気温は、過去122年の観測史上最高だったと報道していた。
同僚たちも「今年は暑くなるのが早い」と皆声をそろえて言っており、今年が異常であることを知る。デリーでは3月に雨が全く降らなかったことも影響していたようだ。
【4月】40度超え、ドライヤーのような乾燥した空気が吹く
4月に入ると40度を越える日が出てきた。3月に引き続き4月の平均最高気温も122年の観測史上過去最高を記録し、インド北西部では35.9度に達した。
平日の日中はエアコンの効いたオフィスにいたため暑さのダメージをモロに食らうことはあまりなかったものの、それでも日中に短時間外に出ると日差しが強くとても痛かった。寒すぎて痛いというのは雪山で体験済みだが、暑すぎて痛いというのは初めての体験。
また、私は乾燥にもやられた。これまでの感覚で肌ケアをしていたら保湿が全然足りず、全身の肌がカッサカサ、砂漠肌にィィィ…😭😭😭
急遽バイオイルを買い足し、ローズウォーターと合わせて使うことでなんとか乾燥から肌を守った。
全身に油を塗りたくらないとマネージできないほどの乾燥具合とは、恐るべしデリーの初夏…
全然どうでもいい情報だが、インドは日本よりもバイオイルが安い。125mlで700ルピーほど(1000円強)。ローズウォーターはカーマやフォレストエッセンシャルの高級なものではなく、水感覚でばしゃばしゃ使えるDabur社製のもので十分。お値段は100ルピー以下とお財布にやさしい。
【5月】最高気温50度、最低気温30度の世界
5月はインドの夏本番だ。異常な熱波はさらに猛威をふるい、ほぼ毎日40度越えという超酷暑が到来。そして最低気温も30度を超えるという意味のわからない事態が見込まれている。
5月15日には、デリーで49.2度を観測。ほぼ50度とは、、、すさまじい。気候変動によって熱波の頻度・厳しさは増し、都心部はヒートアイランド現象、さらに今年はラニーニャ現象も影響しているそうで、色々と不幸のオンパレードだ。
下の折れ線グラフは、濃い線が2022年5月、薄い線が2021年5月の最高気温(赤)・最低気温(青)を示しているが、去年と比較して今年はかなり暑いいことが一目瞭然だ。
私がグルガオンに引っ越してきたのは昨年、モンスーン前の6月末だったのでデリーNCRの5月を体験するのは初めて。それで過去最高レベルに暑いってサ… ほんとうに辛い。
北インドの夏が厳しいということはニュースやSNSで見聞きして知識としては知っていたが、実際に住んでみると思っていたよりも過酷だった。
▼5月は砂嵐にも何度か遭遇した。
仕事終わって帰ろうと外出たらとんでもない強風でビックリ!砂もすごくて、一瞬で髪の毛ギシギシになった pic.twitter.com/c8n3Ti1ncm
— ᴷₒᴹₑ🇮🇳 गुड़गाँव में🕉️ (@chankomeppy) April 25, 2022
このような砂嵐(ヒンディー語でアーンディ Aandhi、嵐)は北インドではよく起こるのかもしれないが、私はインド生活7年目にして初めて遭遇した。
というのも、私がこれまで住んでいた西インドのムンバイでは砂嵐が発生することはなく、私にとってのアーンディはサイクロンの雷雨。
気候が違いすぎて戸惑うわ~。
北インドは人間が住めない地域になるのかもしれない
北インドの熱波は気候変動の影響を大きく受けているため、今後夏の暑さは厳しさを増すのみである。今年が異常気象でこんなに暑いのではなく、いつかこれが当たり前になる日が来るのではないか…
だなんて思っているとき、ドイツの新聞社が「気候変動によって人間が住めなくなる場所」をがマッピングした3Dマップを発見した。
この3Dマップでは、「熱波」「水不足」「海面上昇」「熱帯低気圧」の4つに焦点を当て、2100年に居住不可能となる地域を示している。
これによると、熱波により人間が住めなくなる主要地域は、北インドである。人間は40°Cを超える温度に耐えることができるが、これは空気が乾燥している場合に限られる。湿度が高くなると汗をかいて冷却することができなくなり危険な状態となるそうだ。 湿球温度が32度に達すると通常の活動を行うことができなくなり、35度が人間の生存の限界の暑さと言われている。
2022年現在、40度超えかつ高湿度の地域はほとんど存在しないものの、21世紀中に湿球温度35度に到達する地域が急増すると予測されており、中東や南アジア(パキスタンや北インド)などがその主な地域である。
私が北インドの酷暑になんとか耐えられているのは、空気が乾燥しているからなんだな… たしかにこの温度で、ムンバイやコルカタ並みの湿度だったら死ぬ。
暑さ云々以前に、ディワリ時の大気汚染はすでに深刻な健康被害をもたらすレベルだけどね…
まとめ
デリーNCRは、夏は非常に暑く、秋は大気汚染、冬は骨の芯から凍えるような寒さ、なんと過酷な環境なのでしょうか!!
私は別にヒンディー語圏に住みたいわけではないし、こちらに家族がいるわけでもないので、こんなに過酷な環境に住む意味を見出せない。できることならば早く引っ越したいというのが本心だわ。
追記:
引っ越しましたw