ナマステ、インド在住のKome(@chankomeppy)です。
先日、ドゥルガープージャのパンダル(期間限定で設置される仮設寺院)を巡るためにコルカタへ旅行してきたので、思い出をブログに残しておく!
▼目次はこちら (クリックして表示)
はじめに:ドゥルガープージャとは
ドゥルガープージャとは、ドゥルガー神がアスラ神(インド神話の悪い神様、鬼神、魔族)の王マヒシャースラに打ち勝ったこと、ドゥルガー神の力を祝うお祭りで、インド東部のベンガル地方を中心に盛大に祝われる。
インド三大神のひとりであるシヴァ神の妻「パールヴァーティー神」が魔王マヒシャースラをやっつけるために進化した姿であるドゥルガー神は、戦いに特化したとても強い神様で、「マヒシャースラの殺し屋」を意味するマヒシャースラマルディニーの別名を持つ。
ドゥルガー神が魔王マヒシャースラを倒す神話(以下参照)は非常に有名で、多くのドゥルガープージャパンダルにおいてそのシーンが再現されている。
アスラ神族の魔王・マヒシャースラは「いかなる男や神にも殺されない能力」を手に入れるためにブラフマー神を熱心に崇拝し、ブラフマー神はその熱心な崇拝に感銘を受けてその能力を与えた。
するとマヒシャースラはその力を悪用し始め、罪のない人々に恐怖と被害を広げ始め、さらにはその超能力で神々を攻撃し始め天界を征服し、天界に住んでいたデーヴァ神族(シヴァ神やヴィシュヌ神が属する神様グループ)の神々を追放してしまった。
マヒシャースラはブラフマー神から授けられた能力を持っており無敵状態。困った神様たちはシヴァ神とヴィシュヌ神に泣きついた。
マヒシャースラが好き勝手やっていると聞いたシヴァ様とヴィシュヌ様は大激怒しスーパーサイヤ人の如く光を放ち、それに追随するように他の神様たちも光を放った。その光から生まれたのがドゥルガー神である。デーヴァ神族の神たちの力を集結し、ドゥルガー神、ここに誕生。
男だとマヒシャースラに太刀打ちできないがドゥルガー神は若くて美しい女性の姿をしているため、マヒシャースラの能力は効かない。
ドゥルガー神は神たちから与えられた様々な武器を10本の手に持ち、戦闘の準備は万全。その美しい姿とは裏腹にめちゃくちゃ強くマヒシャースラの子分たちを次々と抹殺し、マヒシャースラとの一騎打ちに。自らの置かれている状況が不利と見たマヒシャースラは自らを動物や人間の姿に変えた。
水牛やライオン、人間、象などに化けることでドゥルガー神を困惑させるマヒシャースラ。マヒシャースラが水牛の口からちょっと顔を出して様子うかがっていたところ、ドゥルガー神がこれを発見。
ドゥルガー神はシヴァ神から与えられた三叉戟(三つの穂を有する槍のこと)でマヒシャースラにとどめを刺した。
ドゥルガープージャの時期
毎年9月末~10月上旬にドゥルガー神が天界から地上に到着すると考えられている。この日はマハラヤと呼ばれ、ナヴラートリーおよびドゥルガープージャの始まりの合図である。今年は9月14日がマハラヤで、9月15日からナヴラートリーが始まった。
ナヴラートリーとはサンスクリット語で「9つの夜」を意味するお祭りで、ドゥルガー神の別の姿とされる9人の女神(ナヴドゥルガー)それぞれに対して9日間祈りを捧げるもの。この9人の女神は、魔王マヒシャースラとの9日間にわたる戦いの間にドゥルガー神が変化していった姿で、ナヴラートリー後の10日目にマヒシャースラに打ち勝ったと考えられており、ヴィジャヤーダシュミ(勝利の日、ダシェラ)と呼ばれる。(※地域や宗派によって解釈が異なります)
一部の大規模で有名な訪問者数の多いドゥルガープージャのパンダルはナヴラートリー初日からオープンしているそうなのだが、基本的にはナヴラートリー6日目から本格的に始まり、ダシェラまで5日間続く。最終日にはパンダルに祀られたドゥルガー神の像は海や川に流され、ケイラーシュ山(ドゥルガー神が住む場所)に還るとされる。今年のドゥルガープージャ期間は10月20日~24日だった。
1年のうち、たったの「5日間限定」だなんて、インドにいるうちにぜひとも一度は体験したい行事だよね!!「期間限定」という言葉に弱い。
ちなみに、ドゥルガープージャ中は、お祭りの本場コルカタではバンクホリデーとなっていた(インドでは州別に銀行休業日が異なる)。10月21日(土)、23日(月)、24日(火) の3営業日が銀行休業日となり(インドでは第1・3土曜日は金融機関の営業日にち)、日曜日も挟んでいるので、4日間金融機関が閉まるという事態に…。コルカタにおいては、金融機関が4日連続で休みになるほどの盛大な祭典なのだ!!
ドゥルガープージャの場所
ドゥルガープージャは、インド各地で祝われるが、本場のウエストベンガル州で最も盛大に祝われる。お祭り期間中、、州都コルカタの街中には何百、何千ものパンダルが設けられ、その数およびクオリティは他都市を圧倒し完全にレベチである。
今回旅行するにあたり下調べをしていたところ、Kolkata Durgotsav.comというサイトにて、ドゥルガープージャパンダル巡り用のコルカタ市内マップを見つけた。
多すぎるーw
これに加えて住宅ソサエティや町内会の身内向けパンダルもあると考えると、 数えられないほどの無数のパンダルがコルカタ市内に出現する。
ドゥルガープージャの経済効果
ウエストベンガル州におけるドゥルガープージャの経済効果は、
なんと…
1兆円規模ーーー!
タイムズオブインディア紙によると、今年2023年のウエストベンガル州におけるドゥルガープージャの経済規模は推定5000億ルピー(約9000億円)。
今年はコロナの制限が全くなくなったことに加え、2021年にコルカタのドゥルガープージャがユネスコの世界無形文化遺産に登録されたことを背景に例年よりも盛り上がったそうだ。
この経済規模がどれくらいのモンなのかというと、日本のクリスマスの経済効果(1兆円前後)と同じレベル。
日本の2022年度の名目GDPは4兆2,300億米ドル(1人あたり36,000米ドル)に対し、ウエストベンガル州の2022年度の名目GDPは2,200億米ドル(1人当たり1,800米ドル)。数字だけでみれば、日本の方がウエストベンガルよりも20倍ほど豊かなことになる。
にもかかわらずだ。日本のクリスマスとウエストベンガルの経済効果が同レベルというのは、いかにとんでもないことかお分かりいただけるだろうか…
めちゃくちゃ単純に考えると、感覚的には、日本人がクリスマスで使う20倍のお金を使っているようなもんなのだ。(そうなのか?)
町中には、ドゥルガープージャ期間限定の広告があちこちに設置されていた。
ドゥルガープージャパンダル巡り
今回の旅行では、コルカタ市内のパンダルを2日間かけて巡り、大小含めて40超のパンダルを訪れた。
パンダルは伝統的なものからユニークなものまで多種多様で、いくつ見ても全然飽きずにパンダル巡りを楽しむことができた。
ここで、私が訪れたパンダルに祀られた様々なパンダルのドゥルガー神を見てくれーーー!
色んなお顔、色んな雰囲気のドゥルガー神がいて素敵でしょう!?
毎年いくつもの団体がパンダルコンテストを開催しているそうで、その出来栄えや、ユニークさ、環境配慮などのポイントでパンダルを評価し賞を授与しているんだって。資金力のあるクラブやコミュニティは賞を受賞するために他とは違う斬新なパンダルを設置するというトレンドがあるようで、有名どころの大規模なパンダルは完全にテーマパークと化していた。
というわけで、他都市では見ることのできないコルカタならではの斬新なパンダルをいくつか個別に紹介するぜ…!
革新的・独創的なパンダル
ウエストベンガルの伝統的な芸術と文化を詰め込んだパンダル
毎年独創的なパンダルを設置することで知られている「Suruchi Sangha Durga Puja」は、南コルカタで最も有名で人気のあるパンダルに数えられ、今年のテーマは「ウエストベンガルの伝統芸術・文化」。
このパンダルはすべて自然由来の材料で作られており、今年、環境団体によるアワードで金賞を受賞したそうだ。
有名で非常に人気のあるパンダルなので、パンダルへの道は人で溢れかえっていたが、人圧で押しつぶされそうになるレベルではなかったのが救い。パンダルまでは30分ほど並んで到着した。
パンダルそのもののインパクトもすごいが、敷地内のモニュメントや、ベンガル出身の有名人たちがパンダルを囲む壁に描かれているのもまた印象的だった。
パンダル内もこれまた圧巻で、天井一面のフレスコ画が素敵だった。その出来栄えは常設レベルの完成度で、これが仮設寺院だとは信じがたい。
ドゥルガー神はキャラクター化してゆるふわ系だが、10本の手にはしっかりと武器を握り水牛を踏みつぶしているので全然ゆるふわではないよね😂
パンダルの出口から大通りまでの道んみは屋台がたくさんあり、日本の神社の夏祭りや初詣のような雰囲気を感じた。民族宗教(ここではヒンドゥー教と神道)は共通点が多い。日本人としてヒンドゥー教のお祭りに参加すると、日本のお祭りを思い出すことがある。
📍Suruchi Sangha Durga Puja
逆さまになったドゥルガー神の頭のドームを持つパンダル
「66 Pally Durga Puja」は毎年奇抜な外観のパンダルを設けることで知られているそうだ。今年はドゥルガー神の頭を逆さまにしたドーム型のパンダルを設置していた。
パンダルまでの道には地元企業の広告がたくさんあったのだが、このパンダルのスポンサーの食品会社の立体3D広告が一番面白かった😂どれくらいのスポンサー費用を払えばこんな広告を設置できるのだろう?
パンダル内の土壁には立体的に女性と牛が描かれていたり、台座に他の神様が埋め込まれていたり、非常に芸が細かくて感動した。ドゥルガー神は全身の肌が赤かったり目を見開いていたりして迫力がある~~!
📍66 Pally Durga Puja Pandal
イルミネーションでキラキラに装飾された幻想的なパンダル
毎年革新的なパンダルを設置することで知られている「Tridhara Sammilani Durga Puja」は、豪華な内装が有名とのこと。今年は「Utshov(Festival)」をテーマとしたパンダルを設置していた。
これがなんとまぁ、実に幻想的な異空間だった(人混みを除いては)。
ドゥルガー神はとても神秘的だし、水牛の角の上に他の神様が座っているデザインも最高である。
一般的にインドのイルミネーションは派手でギラついているものが多い中で、このパンダルのイルミネーションは全然うるさくなく、まるで日本のクリスマスのイルミネーションのようだと個人的に感じた。
写真が少ないのは、人が多すぎて立ち止まって写真を撮る余裕がなかったため。立ち止まったらニンゲンの波に飲みこまれそうなほどの訪問者数だったのよ…。
📍Tridhara Sammilani Durga Puja
ラージャスターンのパペット人形をテーマにしたパンダル
毎年インド各地の異なる文化をテーマにしたパンダルを設置しているという「Singhi Park Sarbojanin Durga Puja」では、今年は「ラージャスターン州のパペット人形」をテーマとしていた。
伝統的なドゥルガー神の偶像とパペット!一見異色の組み合わせであるが、偉大なるドゥルガー神は他地域の文化さえも取り込んでしまうんだな、意外とマッチしていた。
📍Singhi Park Sarbojanin Durga Puja
ジャイナ教寺院をモチーフにした豪華爛漫パンダル
巨大シャンデリアが有名だという「Ekdalia Evergreen Club Durga Puja」のパンダル。今年は「ジャイナ教寺院」をテーマにしているという。
確かに言われてみるとジャイナ教寺院のような気がする…!!!
超人気パンダルなのでここの人混みもなかなかのもの。
パンダルは豪華絢爛で、金色と銀色であちこちが装飾されていた。本堂の巨大シャンデリアはまるでホテルのボールルームにありそうなサイズでその存在感に圧倒された。
このパンダルの主役はシャンデリアなのか、ドゥルガー神なのか。
パンダルの出口から大通りまでの道には露店が出ており、その中に射的ゲーム屋さんがあった。景品がプラスチック桶やバケツで「一体だれがやるんだよw」と思っていたら、なかなか人気のアトラクションのようだった。
コンピューターの部品やペットボトルを再利用したパンダル
コルカタ北部Sovabazarにあったパンダル。ここで個別に紹介している他の有名パンダルと違い、通りの一角にある規模の小さい無数にあるパンダルのひとつにすぎないのだが、パンダルもドゥルガー神も一風変わっていて面白かった。
パンダルの入口は学校祭の出し物のような手作り感があり、ほっこり系。
▼キーボードにかこまれるドゥルガーさん…‼
パンダルの天井にはCDで作った飾り物がぶら下がっていて、壁がコンピューターのチップやら、時計やら、キーボードやら、いろんなものでデコられていた。8月に月面着陸に成功したチャンドラヤーン3号もあるが別に宇宙をテーマにしているわけではなさそう😂!
資金力のある団体が運営する大規模なパンダルだけでなく、このような小規模なパンダルさえもこんなにユニークだなんて、さすが本場のコルカタである。
美しいドゥルガー神の偶像がある遊園地併設型パンダル
コルカタ北部にある「Kumartuli Park Durga Puja」。このあたりは神様の偶像をつくる職人さんたちが昔から多く住んでいることから、このパンダルのドゥルガー神は特に美しいことで知られているとのこと。
そしてなんと移動型遊園地も併設!完全にこりゃあテーマパークじゃないか!😂
写真左上にうつる大きな椅子がパンダル。椅子の形をしたパンダル内には様々なボードゲームが吊るされていた。テーマは「遊び」とかそんな感じなのかな?
ドゥルガー神の偶像はというと、伝統的×モダンの融合~!美しすぎるーー!今回色々見て回った中で、個人的にはこのドゥルガー様がいちばん好きだな!
敷地内に併設されている遊園地のアトラクションはどれも結構人気で、私もせっかくなので観覧車に乗ることにした。インドの観覧車は「観覧」するためのものではなく「絶叫マシーン」の一種なのですよ。
▼ベルトを使って原始的な方法で回転させている(動画の右側に立つ男性が手でベルトを調整している)
高速観覧車 pic.twitter.com/TZzZYCHGIP
— 𝗖ʰᵃⁿ𝗞ᵒᵐᵉ (@chankomeppy) October 23, 2023
パンダルの周辺の職人さんたちの工房もいくつか見学させてもらった。すでに来年の下準備を初めているのだろうか!?
舌が出ているのはカーリー神👅(ドゥルガー神がさらに進化した最終形態で殺戮を好むおっかない神様)だよ。コルカタでは、ドゥルガープージャの2~3週間後に祝われるディワリの際にカーリー神を祀るパンダルが出現するそうなのでカーリー神の偶像ストックも多数。
こんな盛大なドゥルガープージャの直後にカーリー神のパンダルが設置されるだなんて想像がつかないのですけれど!!!みんなパンダル狂すぎるだろ!!!
📍Kumartuli Park Durga Puja
実在する建物を再現したパンダル
ヒマラヤ4大聖地ケダルナート寺院を再現したパンダル
毎年インド各地の有名建造物などをテーマにしたパンダルを設置する「Mohammad Ali Park Durga Puja」では、ヒマラヤの4大聖地のひとつである「ケダルナート寺院」がテーマ。
▼本物はこれ。
奥行足りなくて簡素な作りでござんす。幕で山感を表現⛰ 正面から見るともう少し本物感があった。
ケダルナート寺院には最高レベルに神聖だとされるシヴァ神のリンガ(男性器に見立てたシヴァ神を象徴する神聖なもの)が祀られていることから、パンダル内にリンガが描かれていた。
パンダルは本物のケダルナート寺院とは全然似ていないけど(笑)、ドゥルガー神がカッコよくて最高だった!ドゥルガー神の背後には謎にリアルなシヴァ神😂!! 山々しい感じが伝わってくるわー。
ここのパンダルは多くのムスリムがボランティアでお手伝いをしていて、ドゥルガープージャはヒンドゥー教徒だけのお祝い・お祭ではなく、ムンバイのガネーシャ祭りのように、宗教の枠を超えた地域の文化・祭典なのだなぁと実感した。
📍Mohammad Ali Park Durga Puja
マイソール宮殿を再現したパンダル
湖に面した場所にある「Collage Square Durga Puja」は、ウォーターリフレクションを活かす電飾を用いたパンダルが有名だそうで、今年は南インドのマイソールにある「マイソール宮殿」をテーマにしていた。夜に訪れたらもっときれいだったんだろうな。
▼本物のマイソール宮殿はこれ。
再現度、高っっっ…!!
パンダル内の壁にはマイソールのマハラージャ達の写真が貼られていたよ。
ちなみに話が逸れるが、このテーマとなっているマイソール宮殿があるマイソールでは同時期にダシェラを祝う大規模なパレードが毎年開催されている。インド各地でナヴラートリーやダシェラの祝い方は様々である。
📍Collage Square Durga Puja
ロナウジーニョが大使を務めるディズニーランド風パンダル
コルカタ北部ダムダムにある「Sree Bhumi Sporting Club Durga Puja」は国内外の有名な建物や映画などをテーマにしたパンダルを毎年設置することで知られている。今年のテーマは「パリのディズニーランド」。
▼本物のパリディズニーランドの眠れる森の美女の城
これはかなり再現度が高い!!
サッカーブラジル元代表のロナウジーニョがこのパンダル運営元のプージャアンバサダーらしく、このパンダルの開幕式にもロナウジーニョが出席したとか。ドゥルガープージャの力はすごいなぁ。
パンダルの入口にほどこされた装飾物は「似非感」がムンムン漂っていたが憎めない感じ。私は日中に訪問したが、日没後だとイルミネーションが綺麗なんだろうな!
パンダル周辺の住宅はメルヘンチックな仮設壁で覆い隠されていた。家の日当たりめっちゃ悪くなるw 周辺住民の協力あってこそのお祭りなんだなぁ。
パンダルの外観は上の写真の通りディズニーランドのシンデレラ城を再現しており、クオリティの高いキャラクター達が出迎えてくれた。入口のゲート周辺に設置されていたあの3人衆とは天と地の差である。あそこでフラグ立てておいて回収しないんかーい!!!
と思ったら、しっかり回収してくれました。ダンボになりきれなかったゾウ!
パンダル内はメルヘンチックでかわいい~!窓はディズニーキャラクターのステンドグラス風になっていて、著作権とかそういうのはガン無視スタイル。
さてさ手肝心のドゥルガー神はといいますと、ドゥルガー神をディズニーキャラクターたちが取り囲むスタイル😂!!!
斬新😂 じわる😂
📍Shree Bhumi Sporting Club Durga Puja
アヨーディヤのラムマンディールを再現したパンダル
これまでに数々の賞を受賞している超がつくほど有名なパンダルである「Santosh Mitra Square Durga Puja」の今年のテーマは、アヨーディヤーに建設中(来年完成予定)のラムマンディール。
▼完成予定図はこれ。
99.9%再現しててビックリ… レベル高すぎだろ…
雨の中にも関わらず、多くの人が訪問していた。夜になるとレーザービームでギラつくらしく来場者数は激増するそうだ。日中×雨でも十分な人混みだったぞ。
緻密な彫刻までもが再現されており、まるで本物の寺院のようだった。
ところで、このパンダルのテーマとなっているアヨーディヤーは長年にわたってヒンドゥー教徒とムスリムの間で争いの地となっている地だ。ヒンドゥー教徒にとっては「ラーマ生誕の地」として聖地であり、かつてはラーマ神の寺院があったが、16世紀にこムガル帝国の統治下となると初代皇帝バーブルの命令で寺院は破壊されモスクが建設され、インドのムスリムにとっても聖地となった。
1992年に過激派ヒンドゥー教徒がモスクを破壊したことで死者の出る暴動に発展、それ以来両者の間で土地の所有権をめぐる係争が起きており、最終的に2019年の最高裁判決において当該地はヒンドゥー教徒のもの、ムスリムにはモスクを建設するための別の土地を与えるという判決がなされた。ヒンドゥー極右であるBJP(インド人民党)に所属するモディ首相は選挙の公約で「アヨーディヤに寺院を建設すること」を掲げており、ついに完成間近というところまで来た。
ウエストベンガル州ではトリナムール会議派(ウエストベンガルに根を張っている地域政党)が主要政党であり、BJPの力は弱い。このパンダルはBJPが支援しているそうで、BJPの大物政治家である内務大臣のアミット・シャーがこのパンダルを開幕し、その他BJPの政治家も多数訪問したという。BJPはこのラムマンディールをテーマにしたパンダルを政治的に利用したようだね。
上述の通りラムマンディール建設にあたっては多くのムスリムが不利益を被った。コルカタにはムスリムも多く、ムスリムが運営に携わっているドゥルガープージャも存在する。そんな中で、この寺院をテーマにするのはちょっとアレなんじゃないの…?
ロナウジーニョ⚽を呼んでディズニーランドパンダルでワイワイするのがいかに平和なのか!!!ああいうのが誰も傷つかなくて、みんなが幸せになれるパンダルなんだろうな… と部外者ながらに思ったりした。
📍Santosh Mitra Square Durga Puja
他にも、ハリーポッターのホグワーツ魔法魔術学校を再現したパンダルや、ピラミッド風のパンダルなど、手の込んだ個性的なパンダルが多数あったのだが、私は時間の都合で訪れられなかった。
お祭り期間中毎日市内各地を巡ったとしても、有名どころを全制覇できなさそうなくらいのすごい量で(当方オタク気質があるため、こういうのは全制覇したくなるタイプ…)、コルカタのドゥルガープージャに完全に圧倒されました~
やっぱり本場はすげーなぁ。
お祭り期間中町は煌びやかになる
お祭り期間中、コルカタのあちこちがイルミネーションで照らされお祭り気分を高めてくれた。
特にコルカタの銀座的エリアであるパークストリートのイルミネーションはカラフルで美しい。今回はパークストリート沿いにあるホテルに宿泊したので、イルミネーションを最大限に堪能できた。
大小問わずパンダルが設置されている場所周辺は、以下の写真のような電飾が施されており、歩き疲れているはずなのに楽しい気持ちでパンダル巡りをすることができた。光の力ってすごいわ、ほんとに…
コルカタをもっと好きになった
私はインドの都市の中で、住んでいるムンバイを除くとコルカタが一番好きなのだが、今回ドゥルガープージャを体験してさらにコルカタが好きになった!文化が詰まっている町ってすてきよねぇ。コルカタは別名「City of Joy」として知られているが、本当にJoyの宝庫!
次はディワリ時のカーリーパンダル巡りもしてみたいな。コルカタで体験したいことがまだまだたくさんありすぎて、私のコルカタ旅行はこれからもまだまだ続く予定です。
関連記事