インドゆるゆる生活

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【インド生活】ムンバイで家探し。こんなヘンテコ物件に月10万ルピーも家賃払えねぇよ!

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ナマステ、インド在住のKome(@chankomeppy)です。

ムンバイに引っ越してきてもうすぐ1年、現在住んでいるアパートのロックインピリオド(解約禁止期間)が明けるため、今よりもいい条件の家があれば引っ越したいと思い、ゆる~く家探しを開始した。

今回内見した物件が「一体誰がこんなアパートを借りるんだ・・・」と思うものばかりだったので、一部紹介します。

▼目次はこちら (クリックして表示)

はじめに:ムンバイの賃貸物件事情

「インドは新興国だし住宅を借りるのも安そう!」というイメージをもしお持ちであれば、それは大きな大間違いである。

インドの大都市圏で日本人が快適に生活を送れるクラスの住宅となると、家賃は日本の地方都市の家賃相場を優に超えてくる。

Tier2(地方都市)や、大都市のローカルエリアや大都市近郊の衛星都市であれば安いこともあるだろうが、その場合住居の質がローカル仕様で耐え難かいものであったり、交通の便が非常に悪かったりして、生活に支障をきたすため選択肢として浮上することはない。

東南アジアの某国のようにコンドミニアムに5万円程度から住めるだなんていうのは、ここインドにおいては夢のまた夢のそのまた夢のような話なのだ。

さらに、ムンバイはインドで最も家賃相場が高い都市である。外国人が住むようなレベルの物件の賃貸相場(家具付きの場合)は、住む地域にもよるがだいたい以下の通り。

  • 1RK(30~40㎡程度):外国人が住める質のものはほぼない
  • 1BHK(50㎡程度):5~10万ルピー(約8.5~17万円)
  • 2BHK(80~100㎡程度):10~20万ルピー(約17~34万円)
  • 3BHK以上(120㎡~):20~50万ルピー(約34~85万円)

※1RK=1Room+Kitchen(ワンルームに相当)、〇BHK=〇Bed Room(s)+Hall(居間)+Kitchen(〇LDKに相当)

日系企業駐在員の家賃予算は30万ルピーくらいだそうな(支店長や社長だともっともっと!)。ヒーーー!

賃貸物件を探す

私の物件探しの条件

ローカルコントラクトの私は30万ルピーみたいなところには住めないので(全給料を捧げても住めない)予算は10万ルピー

現在は10万ルピー超を払っているので、今より家賃を少し下げつつ、今よりもいい条件の物件を見つけるという無理難題に挑戦。

とりあえず条件を以下の通り設定し、物件探しを始めた。

  1. 家賃10万ルピー以下
  2. ペット可必須
  3. 家具付家具なしどちらでもOK
  4. 古くてもきちんとメンテナンスされていればOK
  5. ただしバスルームは新しくないとイヤ
  6. ウィンドウエアコンはOK
  7. 低層階であればエレベータがなくてもいい
  8. できればベランダ付がいい
  9. バンドラウエストという地域内

賃貸物件の探し方

物件をどう探すか、一番手っ取り早い方法は信頼できるブローカーに丸投げして、厳選された物件のみを見せてもらい、そこから選ぶこと。これはまじで楽だが、こういうブローカーの仲介手数料は最低でも1か月分なので、できるだけ節約したい私には向いていない。

不動産サイト(99AcremagicbricksNo BrokerHousingなど)で条件に合う物件を探し、ブローカーやオーナーに連絡し、物件を見せてもらう方法もある。これらのサイトには成約済みの物件や釣り物件が多数掲載されているため、ブローカーに連絡しても結局問い合わせた物件とは違う物件を紹介されることになりがちではあるものの、仲介手数料の値引きには応じてくれやすく、家賃20日分くらいまでは受諾してもらえる(私調べ)。

他には、Facebookを使う手もある。各都市向けに「○○○(都市名) Flat Rent」的な名称のグループが複数存在しており、「(借りたい人)こういう条件の物件があればDMしてください」「(ブローカー)この物件興味ある人はDMしてください」というような投稿・やり取りがなされている。FBグループは成約済みや釣り物件は不動産サイトよりも少ないと思われる(私調べ)。

1年前にムンバイに引っ越してきた時の家探しでは時間をかけたくなかったこともありブローカーに丸投げしたが、今回はいま住んでいる家があり急ぎでもなんでもなく、いい家があれば引っ越したいというユルい目的での家探しなので、不動産サイトとFBを駆使した。

ヤバ物件Case1:ビンテージ雨漏り物件

ブローカー提供画像

物件①-1 物件①-2 物件①-3物件①-4

家具付きの2.5BHK(2部屋+書斎)、デュプレックス、オーナー提示家賃は10万ルピー。

全体的に設備が古いが、窓が大きくて自然光が入ってきてよさそうだと思った。書斎があるのもポイント高し。階段があれば猫たちも喜ぶんじゃないかと思い、内見を申し込んだ。

実際は・・・

物件①-5

ホール(居間)に年期の入ったのビンテージエアコンが設置されていた。数々の物件を見てきたであろうブローカーさえも「初めて見た」と言う、流通が非常に限られている幻のエアコンである。

RUSSELL社製、モデル名CLASSIC XP

社名やモデル名をグーグルで検索しても何もヒットせず。社会主義的な時代のインド製造のものかなぁ?と思ったり。一体何年製なんだろう・・・

インドでは未だに窓に取り付けるタイプのウィンドウエアコンがあちらこちらで現役であることを考慮すると、当時のインドにおいてこのスプリットエアコンらしきものは超最先端のエアコンだったに違いない。

動作しない古いエアコンがついてる家、普通にいやすぎる。

物件①-6 物件①-7

雨漏りにより、壁の塗装が剥がれてきていた。何層にも塗り直しされていて歴史を感じる。以前の住人は2年ほど住んでいて10日前に退去したそうなのだが、さすがに前の住人の入居時にペンキは塗りなおしていると思うので、2年でここまで壁の塗装が剥がれ落ちるという激雨漏り物件。

内見の前日、ムンバイではレッドアラートが出て公立の学校が休校になるほどの雨が降った。それにより天井からも雨漏れしており、写真はないのだが床に水たまりができていた。モンスーン中はこういう雨漏り物件をすぐに見分けることができるので、ムンバイで家探しするにはいい季節なのかもしれない。

物件①-8

家具も古く、どれも寿命間近。使えなくはないが、革はひび割れしているし、カビも生えているよ~😅

「オーナーは『ペンキを塗りなおす』とコミットしている」とブローカーは言っていたが、その言葉は全く信用できないし、塗りなおしても毎年雨漏りですぐに剥がれてくるだなんてイヤだよ!

以前ムンバイで借りていたアパートは雨漏り物件だったので、雨漏り物件の面倒さは理解している。この物件はパスで~す。

前の住民が故障しているビンテージエアコンと雨漏りと寿命寸前の家具を受け入れ、10万ルピー近くの賃料を支払っていたことが信じられない。

ヤバ物件Case2:ビンテージ柱ドーン物件

ブローカー提供画像

物件②-1物件②-2物件②-3物件②-4 物件②-5

家具なしの3BHK、ベランダ付、オーナー提示家賃は10万ルピー。

この家賃水準でで3BHKというのはなかなかお目にかかれない。しかも写真を見る限りは可もなく不可もなく無難で、特にヤバい要素は見当たらない。バスルームもちゃんとリノベーションされている。部屋数が多ければ猫専用部屋も作れるんじゃないかと思い、内見を申し込んだ。

実際は・・・

物件②-6

部屋の真ん中に柱ドーン!

どんなレイアウトですか、使いづらいわ、無理無理w

物件②-7

柱以外にも気が進まないポイントが、バスルーム。

「各部屋にひとつずつバスルームが付いていて、ホールにはパウダールームがあるぞ。合計4つもバスルームがあるんだ!すごいだろ」とブローカーは言う。まぁ確かにすごいが私は一人暮らしなのでトイレ4つもいらねぇんだわ。

でもわかるよ、これを良しとする人は間違いなく多数存在する。むしろ私が少数派なのよ。

上の写真はホール(居間)の共用トイレ。古いタイプにも関わらず綺麗に使われてはいるけれど、これが自分の家のトイレってのは無理。昭和な感じがする。ブローカーはこれを「パウダールーム」と呼んでいた。

物件②-8

これは寝室3部屋に備わっているバスルームのうちの一つ。私の趣味じゃねぇんだわ。

でもわかるよ、これを良しとする人は間違いなく多数存在する。むしろ私が少数派なのよ(2回目)。

物件②-9
物件②-10

寝室3部屋のエアコンはスプリットエアコンなのにも関わらず、ホールにはふたたび、ビンテージエアコンが設置されていた。もともとホールだけにエアコンを設置していたから、ホールのエアコンだけがこんなに古いのかしらね。

先述のビンテージエアコンは謎のブランド、RUSSELL社製であったが、こちらは我々もよく知るSANYO製。SANYOは昔からインドで信頼されている電化製品メーカーで、今でも根強い人気を誇ることはパナソニックがインドでSANYOブランドを復活させたことからも明らかだ。

これは1970~80年代もの、とかかな?

物件②-11

操作盤にアラビア語?ウルドゥー語?でなにか書かれているけど読めない。しかもこれ、保護テープがついたままなんよ、こりゃあなんかエモいわ。

動作確認をしたところ、完全に動く。つまみに対応してちゃんと動く。しかもウィンドウエアコンなのにうるさくない。うるさくないウィンドウエアコンが存在することをはじめて知った。先のエアコン同様、これも当時のインドではかなり高級なエアコンだったのだろう。中東かどこかから輸入して持って来たものなのかもしれないね。

エアコンには少し感動したが、柱ドーンとトイレが受け入れられないので、この物件もパスで~す。

ヤバ物件Case3:キッチンの窓閉まらない物件

ブローカー提供画像

物件③-1物件③-2物件③-3物件③-4

半家具付き(ホールの家具一部なし)の2BHK、全部屋にベランダ付、オーナー提示家賃は10万ルピー。

とても良い立地にあり、かつ全部屋にベランダ付というのに惹かれて、内見を申し込んだ。

実際は・・・

物件③-5

ダクトドーン!窓閉まらないー!

これは無理すぎるw

こんなことになるなら、チムニーを設置しなければよかったのに…と思うが、ろくに下調べもせずに作業を開始した結果、「壁に穴を開けられません!」という事態になり、こんなことになってしまったのだろう。

物件③-6

この物件のもう一つのヘンテコポイントは、シャワールームの奥にさらにもうひとつシャワールームがあること。意味がよくわからん。二人で一緒にシャワーに入れる💓、というコンセプトなのだろうか。

窓が閉まらないのもイヤだし、一緒にシャワーに入る人もいないため、この物件もパスで~す。

良物件:住みたいが予算オーバーな物件

物件④-1物件④-2物件④-3物件④-4

上記3物件は一体なんだったのか、と思わされる。振れ幅がすごいのよ。

ホールは少し狭いが、バスタブ付きという非常に魅力的な物件。

ベッドのマットレスは新品、キッチンもきれい、食洗器、洗濯機、乾燥機、なんでもついてるぅ。

ここはオーナー本人が最近まで住んでいたアパートで、自分が住むために数年前にリノベーションしたのだという。パンデミック中に自分が住んでいて、今はコロナが落ち着いたので大きい自宅に戻り、ここは1年くらい空き家となっていたので賃貸しようと決めたとのこと。

オーナー曰く「インド人には貸したくないの。1人しか住まないと言っておいて気が付いたら8人くらい住んでいることがある。うるさいのよ、あの人達は。夜な夜な爆音でパーティーされたら困るの。この建物には老人もたくさん住んでいるから、そういううるさい人達に貸したら私が悪く言われることになるからイヤなの。だから外国人に貸したいの」

特に外国人の働いている女性に貸したいらしい。

そしてオーナーも猫の下僕という事実…

なんというマッチ!

が、オーナーの提示家賃は15万ルピー。

私の予算より5割も高いよ…。ブローカーは「12万ルピーくらいまでならネゴれると思う」とプッシュしてくる。少々無理ゲーな物件を見せてその気にさせ、私の予算を引き上げさせる作戦なのだと思われるがその手には乗るまい。私は、今よりもいい条件の場合のみ引越すと強く決めているので、無理に予算を上げてまで引っ越したいとは思っていないのである。

「オーナーが私の予算を飲んでくれるなら進めたいです~」とブローカーには伝え連絡を待っているところだが、まぁ多分無理でしょう。オーナーがよっぽど私に貸したくて貸したくてしょうがない場合じゃないと無理でしょう。

したがって、引き続きゆるゆると物件探しを継続する。いい家が見つかるといいなぁ。

2023/8/1追記: オーナーは13万ルピーまでしか値下げに応じられないとブローカーを通じて返信あり。残念!

家賃の値上げがエグい

2016年~2021年までムンバイに住んでいたときも同じぐらいの家賃のアパートに住んでいたのだが、当時家賃10万ルピーで借りられたレベルの物件を今借りようとすると、12万ルピーくらいは出さないと無理(私調べ)。コロナ前後でムンバイバンドラ地区の2BHK界隈は2割くらい賃料相場が上がっている模様。今回10万ルピーにこだわった結果、ヘンテコ物件ばかりを紹介される羽目になってしまった。

値上がり2割だなんてのは可愛いもんで、駐在員向けの物件になると家賃上昇幅はもっと大きくなり、3~4割、なかには5割ほど上昇している物件もあるそうだ。パンデミックで高級アパートを賃貸する主要層である外国人駐在員が自国に一時退避、高級アパート賃貸市場の需要がなくなり相場がダダ下がりしていた。2022年に外国人駐在員が続々戻ってくるも供給が追い付かず、とんでもねぇ値上がりが起きているという。

これに加えて、ムンバイのエグイところは、高いものほど値上がり幅が大きいところ。高所得者数が急増し、富裕層マーケットが急拡大している。辛い世の中です。私はミドル層マーケットでなんとか生き抜いていきたいと思いマス~🥵💦💦