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【インド旅行】ラダック旅行 その2 ~ヌブラ渓谷編~

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アイキャッチ画像

ナマステ、インド在住のKome(@chankomeppy)です。 ラダック旅行、ヌブラ渓谷編です。

  1. レー
  2. ヌブラ渓谷←この記事
  3. パンゴン・ツォ&上ラダック
  4. トレッキング(へミス国立公園)
  5. 下ラダック

▼前回の記事:ラダック旅行レー探索編。 indoyuruyuru.com

▼目次はこちら (クリックして表示)

ヌブラ渓谷へ…

ヌブラ渓谷

ヌブラ渓谷はラダックの北西に位置する。地理的にはヌブラ川とシュヨク川が流れる地域がヌブラ渓谷とされ、パンゴンツォの方まで含まれ、中国が実効支配している阿克賽欽アクサイチンに隣接する。主に西側(上の画像で赤い丸で囲った地域)に人が住んでいるのに対して東側の人口が少ないことからラダック語で「西側」を意味する「ヌブラ」と呼ばれるが、伝統的には「花の渓谷」を意味するLdumra(ラドゥムラ)渓谷と呼ばれているそうだ。旅行者が訪れる場所も赤丸内に点在している。

赤丸地域の標高は3000m程度で、レーよりも低い。ラダックの標高に体を慣らすために標高が低いところから訪れるように旅行代理店にオススメされたので、到着翌日はまずヌブラ渓谷へ向かうことにした。

カルドゥン・ラ:5000m超の峠越え

7時半ごろレーを出発しヌブラ渓谷へ向かう。レーからヌブラ渓谷へ向かう際には、カルドゥン・ラ(ラ=峠) と呼ばれる峠を越える必要がある。

その標高はなんと5,370m!!!レーから車で2時間ほど、一気に2,000m弱を登っていくぞ!

▼山道の途中にはビューポイントがあり、写真撮影できるようになっていた。レーの町がどんどん遠くなっていく~

▼出発から1時間半ほど、頂上に雪が残る山が見えてきたぞ、頂上は近いぞ

車窓からの景色を眺めていると、あっという間に峠に到着した。

自称、❝世界で最も高い場所❞にあるという、カフェという名の掘っ立て小屋で朝食にマギーとチャーイをいただいた。山の上で食べるマギーは下界で食べるマギ―と比べて美味しさ10倍増し!いやもっと??

峠のカフェ
WORLD HIGHEST CAFE

標高5,000m超というだけあって、訪問したのは8月半ばであったがダウン(厚手の上着)が必要だった。日差しは強いが肌寒い。

カルドゥン・ラのフォトスポット
みんなここで写真を撮影していたので私も便乗。

峠には「カルドゥン・ラ・ゴンパ」という寺院があり、せっかく精神の塊である私はもれなく訪れた。ゴンパまでの階段がなかなか急で、標高5,000m超の空気うすうすの中で上まで登るのは大変で息が上がった。上にはストゥーパと小さな仏教寺院があるのみ。

カルドゥン・ラ・ゴンパへの階段
カルドゥン・ラ・ゴンパへの階段

カルドゥン・ラ・ゴンパ
カルドゥン・ラ・ゴンパ(ストゥーパと小さな寺院と大量のタルチョ―)

陽が当たらない場所にはまだ雪が残っていてビックリ!8月に雪だなんて、道産子の私でも初めての体験!標高5,000mは別世界や…

日陰に残る雪
日陰に残る雪

峠で一休みした後は、登って来た2,000mを一気に下り次の目的地、ディスキットへ…!!!

下山途中、旅行者向けの簡易レストランで腹ごしらえ。簡易レストランには大したもがなく、昼食と呼べるものはなかった。やむなくベジモモをつまむ。おそらく冷凍食品だと思われるが、「ワイはいまラダックにいるんだ…」という事実およびレストラン裏に広がる絶景のおかげで美味しく感じられた。

山の上で食べるマギーもそうだが「どこで食べるか」は大事だよね。ラダックでは何を食べても美味しく感じられる魔法の地だわ。

下山後の集落にある旅行者向け簡易レストラン
下山後の集落にある旅行者向け簡易レストラン

簡易レストラン裏の小川
簡易レストラン裏の絶景。

レストラン裏の川のほとりにいたもふもふのイッヌが非常にめんこかった🐶

標高が低くなってくると、集落もちらほら。また、「花の渓谷」という名の通り、野生のお花があちこちに咲いていた。つい数時間前に峠で雪を踏んだとは思えぬ、なんという標高差。

山の中の集落
山の中の集落

ラベンダーのような紫色のお花
ラベンダーのような紫色のお花

ディスキット:ゴンパ訪問

カルドゥン・ラから3時間半ほどでディスキットに到着、ここでの目的は「ディスキット・ゴンパ」を訪れること。この旅はじめての大きなゴンパである。

ゴンパとはチベット仏教寺院、修道院、瞑想所、あるいはそれらのコンプレックスを意味する。ラダックには5つのチベット仏教宗派があり、このディスキット・ゴンパは5つの中で最大の宗派であるゲルク派に属する。ゴンパには100名ほどの僧侶が住み込みで在籍している。

▼ゴンパは岩山の上に建っている。15世紀建立。
ディスキット・ゴンパ

▼ゴンパは岩山にあるが、車でゴンパの入り口まで行けるので楽ちん。
ディスキット・ゴンパ1

▼ここがゴンパの入り口
ディスキット・ゴンパ2

▼境内を登っていくと~…

ディスキット・ゴンパ3
ミニストゥーパとマニ車
ディスキット・ゴンパ4
ちびっこ僧侶とストゥーパ
ディスキット・ゴンパ5
マニ車があると回しちゃう

▼最上部にある護法堂。内部は撮影禁止。顔を布で覆われた神様の像が並んでおり、よくわからないが「なんかスゴそう」な感じだった(語彙力)
僧侶の方に聞くと、お祭りの時に布を外すらしい。
ディスキット・ゴンパ6
ディスキット・ゴンパ7

ゴンパ最上部からは、ディスキットの町を一望できる。ディスキットはヌブラ渓谷の中心であるが、旅行者向けの宿は後述するフンダルのほうが豊富。

上の動画にもチラっと写っているが、敷地内には弥勒菩薩みろくぼさつの巨像も。その高さなんと30m。迫力があるわ~
(※弥勒菩薩とはゴータマ・ブッダの次にブッダとなることを約束され、ゴータマ入滅後56億7千万年後にこの世に現れ、ゴータマの教えで救われなかった人々を救済するといわれている)

ディスキット・ゴンパの弥勒菩薩像
ディスキット・ゴンパの弥勒菩薩像

フンダル砂丘:ラクダに乗る

ディスキットから車で30分ほど、フンダルに到着。

ヌブラ渓谷での宿は旅行者向けのオプションが豊富なフンダルにて綺麗なゲストハウスを手配してもらった。他にもホームステイやキャンプなどもあり、好みや予算に応じて色々選べる。

まずは宿にチェックインして休憩。

フンダルのゲストハウス1フンダルのゲストハウス2
緑に囲まれた清潔な宿。アッツアツのお湯も出る。1泊4500ルピー。意外と高いよね。

フンダルのゲストハウス3
宿のオーナーが可愛がっている半野良のイッヌ。癒しを提供してくれた。

フンダルでのアクティビティは「ラクダに乗る」こと。むしろ、それしかない。

▼フンダルのアトラクションはこれしかないため、フンダルを訪れる旅行者全員が集結、観光客で賑わう砂丘公園。
フンダル砂丘1

▼キャメルサファリ、という名であるが、ただラクダに乗るだけである。サファリ要素が一体どこにあるのかは不明。15分300ルピー、30分500ルピー。私は30分コースを選択。
キャメルサファリ1
キャメルサファリ2

ちなみに、15分コースはラクダのフンまみれの枯れた芝生の上を練り歩くだけなのに、なぜかほとんどの人が15分コースを選んでいた。値段もそんなに変わらないし、他にやることもないのに!!30分コースなら砂丘ゾーンにも行ける。

▼チケットを持ってラクダ待機場所へ向かい、ラクダに乗る。コブがへなっていないラクダが元気なラクダの証なんだって。
キャメルサファリ3

▼5~6人(匹)が1グループになって出発。縦一列になるはずが、ラクダとラクダをつなぐ紐が短すぎて横一列になるという事態が発生。ラクダの大渋滞。
キャメルサファリ4

▼砂丘ゾーンでグループ写真撮影。
キャメルサファリ5

「これをわざわざラダックでやる必要があったのか?」と問われたらなんとも回答に困るが(インドの観光地ではラクダに乗れる場所が多い)、せっかくだしねぇ?!500ルピーにしてはすごく楽しかったよ。500ルピーのモトは十分取れた感じ。

砂丘からの宿への帰り道、酒屋でローカルビールを購入。ここで手に入るビールは全てジャンムーで製造されているものだった。このような地方で入手可能なビールは「ストロングビール」と呼ばれるアルコール度数が5~10%程度のきつめのビールが一般的なのだが、なんとストロングビール以外の選択肢もあるとなー!(買ったはいいが疲れ果てて飲めなかった… 旅は体力勝負…)

フンダルで入手可能なビール
フンダルで入手可能なビール

トゥルトゥク:停戦ライン間近にあるバルティ族の村

翌日は「トゥルトゥク」という村へ。この村はパキスタンが実効支配している地域との停戦ラインからわずか10kmほどしか離れていない。住民はバルティ族と呼ばれるムスリムで、バルティ族が住む地域一帯(パキスタン実効支配地域まで広がる)をバルティスタンと呼ぶ(「スタン」は「~の国」「~の土地」を意味する)

K2があるのもバルティスタンだよ。

もともとトゥルトゥクに行くつもりはなかったが、旅行代理店と旅程を組み立てている際に、「ここにも行けるよ」と提案してもらい行くことにした。完全にノーマークだったため、事前情報ほぼなし!!

8時半過ぎにフンダルの宿を出発したのだが、ここで我々に試練が訪れる。

腹 痛 !!!

お腹が非常にゆるゆるピーピーになってしまった。私も友人も全く同じ症状。何かに当たってしまったのか、標高が高いからなのか、高山病予防の薬のダイアモックスの副作用なのか、、、原因は不明のままだが、とりあえずピーピーすぎてヤヴァかった。

幸い、道中に用を済ませられるところが何カ所かあり、また道路がきれいに舗装されていたため(停戦ラインが近いので軍事的な理由から非常によく整備されているのだと思われる)最悪の事態は回避できたが、お腹に爆弾💣を抱えながらの移動はヒヤヒヤものである。お腹を壊したのがこの日でまだよかったよ、ほんとに。

▼標高が低いからなのかな、川の水がとーっても綺麗。
フンダルからトゥルトゥクへ向かう道中の川

▼トゥルトゥクへ向かう道路と岩山。
よく整備された道路

▼マリオカートにこういうコースありそうよね。チョコマウンテン的な。

ピーピーの中、3時間半で目的地のトゥルトゥクに到着。ピーピーによる途中休憩がなければもっと早く到着できたと思う。

トゥルトゥク村
トゥルトゥク村

なんと綺麗な場所なんだ!

この絶景を見られただけでここに来た価値は十分にあった、と思えるくらいの絶景だ。旅行代理店さん、オススメしてくれて有難う。

この川の両端にレストランが数軒あり、そこで昼食をいただいた。お腹に優しそうなものをオーダー。

ベジトゥクパとそば粉のパンケーキ
左:ベジトゥクパ(チベットうどん)
右:Kissir(そば粉のパンケーキ)とTsamik(ヨーグルトのチャツネ)

荒れ狂う胃腸に優しい味のトゥクパが染みわたった。トゥクパはいつでも我々の味方である。

写真右のそば粉のパンケーキ「Kissir」はトゥルトゥク名物なんだとか。ラダックの標高の低い地域ではそばが栽培されているらしい。ヨーグルトチャツネ「Tsamik」は昔ブルガリアを旅行した際に食べたヨーグルトサラダと同じ味がしたよ。パンケーキとの相性Good、そしてお腹にもGood👍👍👍

昼食後は村探索。村の人々が生活するエリアは徒歩で2時間あれば回れるくらいの大きさで、観光スポットが点在している。事前情報皆無のため、観光客向けの看板を頼りに村を探索した。

観光客向けの看板
観光客向けの看板

ただし、この看板以外に看板がなかったため「え?この道であってる?」「他に観光客らしき人歩いてなくね?」という事態に陥った。(おそらく途中で諦めて引き返す人が多い)

▼築100年超の一般的な古民家を博物館として一般公開している「Turtuk Traditional House & Museum」(地元住民が運営)
Turtuk Traditional House & Museum

▼この地方の伝統的な婚礼衣装も着れるよ(別料金)
トゥルトゥクの伝統的婚礼衣装

▼村のあちこちにアプリコットの木が生えていた。 トゥルトゥク村のアプリコット

▼村の人々の生活圏に突入。この道で合っているのだろうか?
トゥルトゥク村

▼引き返さずに歩き続けると「Balti Heritage House and Museum」に到着。
Balti Heritage House and Museum

こちらは20世紀初頭に建てられた地元の有力者の自宅を博物館として公開しているもので、その一族が運営している。家の大きさも、展示物も、どれも最初に訪れた古民家博物館とは大きく異なる。さすが有力者の邸宅や…

Balti Heritage House and Museumの展示物
(左)広い土間には囲炉裏のようなものもあった。
(右)トゥルトゥクではポロが盛んなのだそう。植民地時代のイギリスの影響がこんなところにまで届いているとは!

▼博物館の外にはトゥルトゥク村の他の見どころを示す看板 。 トゥルトゥク村の見どころ

他にも滝や防空壕、ポロ場、ゴンパ(モナスタリー)といった見どころがある。博物館の受付の人に聞いたところゴンパは博物館から15分ほど歩いたところに、それ以外は少し離れている(滝に至ってはトレッキングになるためトゥルトゥクに宿泊しないと厳しい)とのこと。時間の余裕があまりなかったのでゴンパを見て帰ることにした。

▼ゴンパへ向かう道。この道で合っているのだろうか?(2回目)
トゥルトゥク・ゴンパへの道

▼鳥居のようなものがあるので多分合ってる。
トゥルトゥク・ゴンパの鳥居

▼見上げるとタルチョ―がたなびく小さなゴンパがあった。
トゥルトゥク・ゴンパ

トゥルトゥクをはじめとするバルティスタンの住民の大半はムスリムであるが、14世紀にイスラム教が入ってくるまではチベット仏教が信仰されており「リトルチベット」と呼ばれていたそうな。今でもバルティ族の生活にはチベット文化が根付いているそうで、バルティ族が話すバルティ語は古典チベット語のような感じらしい(Wikipediaより)。そんな環境だからこそ、今でもゴンパがこうして維持されているのだろうなぁ、と思うなど。

▼ゴンパからはトゥルトゥク村を一望できる。
トゥルトゥク・ゴンパからの眺め

これまた絶景だ!奥の方に見える山はパキスタン実効支配地だよ。

チベット×ムスリムのユニークな文化を持つバルティ族の村、トゥルトゥク。たった数時間の滞在だったが、ここは一泊すべき場所だったわ!!!

事前リサーチ不足を悔やみながらフンダルへ戻った。
(そして知らない間に腹痛は治っていた)

満天の星を楽しむ

フンダルは夜11時になると町全体の電気供給がストップするため(電気が使えるのは朝6時~8時、17時~23時まで)、星を眺めるにはもってこい!

特に、夜11時に町の明かりが一気に消えるその瞬間が素晴らしかったね。

▼私の撮影スキルが低すぎる+編集していないので全然綺麗に見えないが、満天の星であることはなんとか伝わるだろう。
フンダルの星空1
フンダルの星空2

その3(パンゴン・ツォ&上ラダック編)につづく

個人的にはトゥルトゥク村が一番よかった!もともと行く気なかったのにね。事前リサーチの大事さを思い知らされた。

こんなゆるゆるのろのろスピードで書いてたらいつこの旅行記は終わるんだよ!って話ですけど、まだまだ続きます。

次はラダック最大の名所、パンゴンツォだーーーー!

つづく。