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「引用」「転載」「参考」「出典」と著作権について

「引用」「転載」「参考」「出典」と著作権について、知っているようでよく知らない方も多いのではないかと思い、それぞれについて簡単にまとめることにしました。

自分では気づかないうちに著作権を侵害していたということがないようにしっかりと理解しておくべきことです。

引用・転載・参考・出典の違い

  • 引用
    • 他人の著作物をそのまま自分の作品に使うこと。
    • 著作権法の要件を満たす合法な無断転載のこと
  • 転載
    • 他人の著作物を複製して別の場所に載せること
    • 無許可で転載することは著作権侵害となりうる
  • 参考
    • 自分の作品を作るための手がかりとして他人の著作物を利用すること
  • 出典・出所・参考文献
    • 引用、参考にした論文や書籍、インターネット上の記事など著作物そのもの

引用」「転載」「参考」は他人の著作物にある文章や画像を利用すること、「出典」は著作物そのもののことを指します。

他人が著作権を有するものを利用させてもらうわけですから、ルールが存在します。それが「著作権法」です。

それぞれについて、詳しく見ていきます。

著作権とは

著作権とは、著作物を創作した著作者に与えられる人格権や財産権のことです。

著作物とは「思想または感情」を「創作的」に「表現」した「文芸・学術・美術又は音楽の範囲」に属するもののことで、具体例として、①言語、②音楽、③舞踊又は無言劇、④美術、⑤建築、⑥図形、⑦映画、⑧写真、⑨プログラムの著作物が挙げられます。(著作権法第10条)

▼ 著作者の権利の内容については、文化庁のウェブサイトで確認することができます。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/kenrinaiyo.html

著作権法では、一定の例外的な場合において著作権を制限し、著作物が自由に利用できるように定めています。

▼ 例外的な場合については、文化庁のウェブサイトで確認することができます。
著作物が自由に使える場合 | 文化庁

「引用」によって他人の著作物を自由に使うことができます。

引用

(引用) 第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

著作権法第32条

公正な慣行に合致するものであれば、「引用」によって著作権者の許可なく自由に著作物を利用してもよいとされています。

著作権法において正当な引用と認められるための要件は、以下の通りです。

  1. 引用を行う必然性があること

    … 引用部分は「根拠」を示すためのもので、引用しなければ自分の文章が成り立たない場合のみ、必要な部分を引用してもよい。


  2. 主従関係が明確であること

    … 質・量ともに、自分の文章がメインでなければならない。
    … 引用部分の割合が多いと「無断転載」とみなされる可能性がある。


  3. 引用部分が明確に区別されていること

    … かぎ括弧やblockquoteを用いて、自分の文章と引用部分をはっきりと区別しなければならない。
    … はっきりと区別せず他人の文章をあたかも自分が書いたかのように見せた場合「盗作」とみなされることもある。


  4. 出典を明示すること

    … 引用部分のすぐ近くに出典を明記するなどして、どこから引用したのかを読み手にわかりやすく示さなければいけない。(著作権法第48条)


  5. 引用部分を改変しないこと

    … 引用元の著作者は「同一性保持権」(著作者の意に反して改変を受けない権利)を有しているので、手を加えずにそのまま引用しなければいけない。(著作権法第20条)
    … 改変を行うと原文の趣旨が変わる恐れがあり、不正引用とみなされる。

転載

転載(てんさい)とは、他人の著作物を複製して、もともと公開されていた場所とは別の場所に公開すること。

Wikipedia(転載)

著作権法では、以下2つの場合に限って著作権者の許可なく著作物を転載できるとしています。転載する際も、引用時と同様に出所を明示する必要があります。

  1. 国や自治体が周知することを目的として作成した広報資料、統計資料、報告書(著作権法第32条2項)
  2. 新聞や雑誌に掲載して発行された政治・経済・社会状の時事問題に関する論悦(著作権法第39条)

これら2つ以外で転載をしたい場合は、著作者に許可を得る必要があります。

許可を得ないで無断転載した場合は、著作権侵害です。

引用と転載の違いは?

「引用」も「転載」も他人の著作物を複製して自分のコンテンツに取り込むことを指しますが、引用の要件を超える範囲で複製する場合は「無断転載」となります。具体的には以下の通りです。

  • 引用に必然性がなく、必要な部分を超えて引用している場合
  • 引用部分がメインで、自分の文章がほとんどないような場合

数年前にいくつかのキュレーションサイトが相次いで閉鎖しましたが、引用の範囲を超えた無断転載による著作権侵害が理由です。

「引用」は自分の文章を成り立たせるための補完的なもので、主役は自分であるのに対し、「転載」は他人の文章をが主役です。引用部分が記事の大半を占めて、それにチョロっとコメントしているような場合(キュレーションサイトでよく見られる)は、引用部分が主役となっていますから転載になります。

参考

「参考」とは、自分の文章やコンテンツを創作するために、他人の著作物を手掛かりにすることを言います。

つまり、他人の著作物を自分なりに解釈して、別の言葉自分の言葉でまとめることです。

参考にさせていただきました♪」と言いながら、参考にしたサイトの文章=「他者の著作物」をまるで自分の文章であるかのように複製することは、盗作とみなされる可能性があります。

著作物を無断で使用するとどうなるのか?

著作権を侵害することは犯罪です。懲役刑・罰金刑が科されることがあります。

著作権者は、権利を侵害した者に対して損害賠償などの請求をすることができます。

▼詳しくは、公益社団法人著作権情報センターのウェブサイトで解説されています。
著作物を無断で使うと? | 著作権って何? | 著作権Q&A | 公益社団法人著作権情報センター CRIC

さいごに

著作権に配慮して情報発信をするのがマナーです。

当ブログでは無断転載、盗作まがいの行為を禁止しています。

他人が時間をかけて創ったものを、あなたが創ったかのように表現するのはやめてください。

盗作を「参考にした」と言って正当化するのはやめてください。きちんと引用してください。

こちらから注意しても修正いただけない場合は法的な手続きを行います。

どうぞ宜しくお願い致します。